行政書士新濵事務所

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「遺言書」異なる遺産の分割をしてもいいの?

相続が発生し、遺言書がある場合には遺言書が優先され、
それに従って遺産分割を行うことが大原則です。

遺言書を遺すには様々な理由があります。
・世話になり尽くしてくれた人に対して、より多くの財産を相続させたい。
・事実婚(内縁関係)の妻に相続させたい。
・自宅不動産を同居の長男に相続させたい。
・自業継続のために特定の親族に相続させたい。
・相続争いを避けるために“道すじ”をつけておきたい。・・・他

本人が最後の意思表示である「遺言書」を遺していた場合は、最大限それを尊重しなければなりません。ただ、必ずその通りに遺産分割をしなければならないのか?・・と言えばそうではなく、
一定の条件を満たせば、相続人全員で遺産分割協議を行うことで、遺言と異なった分け方が可能です。
遺産分割協議は相続人全員が参加していなければ無効となります。また遺言書の内容によっては、税金面等を考慮する必要もありますので、実行される場合は専門家にご確認ください。

その条件とは・・・。
1.被相続人が遺産分割を禁じていないこと。
(遺言者は5年を超えない範囲で遺産分割を禁止することができる 民法908条)
2.相続人全員が遺言書の内容を知り、その上で内容と違う分割をすることに同意していること。
3.相続人以外の受遺者がある場合は、その受遺者が同意していること。
4.遺言執行者がいる場合には同意を得ておくこと。
上記の条件を満たせば遺言と異なった遺産分割が可能となります。

《遺言書と異なった遺産分割をした実例》
「全財産を長男の○○に相続させる」との父の公正証書遺言が遺されていました。
父は晩年を高齢者施設で過ごし、本家は長年空き家のままとなっていました。
相続人は、長女・長男・二男の3人です。3人とも独立し、それぞれ安定した生活をしていますが長女と二男は、父の遺産を全て長男が相続し、自分たちに全く相続分がないことに納得がいきませんでした。
長男も、なぜ父がこのような遺言書を遺したのか釈然としていなかったのです。3人の話し合いの結果、この遺言書が父の最後の意思であることに鑑み、遺留分相当額を長男から長女と二男に支払うことで解決に至りました。
父は、晩年を施設で過ごし、度々見舞ってくれた長男夫婦に財産を相続させたいと考えていたのであろうと想像できますが、その想いを「付言事項(なぜこのような分け方にしたのか理由を明記する)」として記載しておくこと、そして長女と二男に最低でも「遺留分相当額」を相続させることに配慮した「遺言書」であったならもっとスムーズに相続手続が進んだことと思います。今回のように長男が素直に支払いを承諾するとは限らず訴訟に発展する場合も多々あります。

「遺言書」は後々のことに配慮した内容で作成することが重要です。
できれば専門家に相談した上で作成されることをおすすめ致します。

「親の介護をした嫁」に「特別寄与料の制度」で報いる!?

今まで、親(被相続人)の財産を減らすことなく療養看護に貢献した場合は
相続時に「寄与分」として請求することができました。
ただ請求できるのは「相続人」に限られていたのです。ところが、被相続人(亡くなった親)の長男の妻が介護し最後まで面倒をみていたとしたらどうでしょうか?
もし、その時すでに長男が亡くなっていた場合、妻は相続人ではないため父の遺産は全くもらえないことになります。(父の遺言書があれば別ですが…)

この不公平さを解消するべく、2019年7月以降に開始された相続について「特別寄与料の制度」が設けられました。

「特別寄与者」になれる人は相続人以外の親族です。
嫁は相続人でなく姻族(婚姻によって親族になった者)であり相続人以外の親族にあたります。親族以外の者や内縁の妻は特別の寄与をしていたとしても対象者になれません。
又、「無償」で行っていたことに限るので、介護の礼金をもらっていたり、親の事業を手伝っていたとしても給与を受け取っていれば対象になりません。

「寄与料」はいくらもらえるの?
介護を行った場合の「寄与料」は、介護報酬基準額等を参考にして日当を決めて算出します。その金額については相続人と特別寄与者とで協議の上決定し、相続人がそれぞれの相続分に応じて負担します。もし協議がまとまらない場合は家庭裁判所で決定することになります。
介護に際しては、あとあとの証拠となるよう、介護日誌、かかった費用の領収書などを残しておくことが大事です。

特別寄与料を巡っては、まとまらないことも懸念されるところです。
嫁に介護してもらった感謝の意味もこめて、あとあとトラブルにならないように、
遺言書で嫁に「介護の感謝」を残していただきたいと私は思います。

相続財産の「預貯金」…遺産分割が終わるまでは引出せない・・。
どうする? 葬儀費用、生活費!


たとえ相続財産に預貯金があったとしても、相続人全員の遺産分割協議が終了するまでは引き出すことができません。
葬儀を行う際にも、その費用をどこかから調達しなければなりません。また当面の生活費が必要な場合もあります。
今回の「預貯金の払戻し制度」が新設されたことで、被相続人の葬儀を行う相続人は、単独で被相続人の預貯金の一部の払戻しができるようになりました。
ただし各相続人が引出しできる上限額は、その預貯金額の3分の1×法定相続分となり、金融機関ごとに150万円が限度となります。
【計算例】
夫婦と子供2人の4人家族、父が亡くなりA銀行の預金が1500万円とした場合
法定相続割合・・妻 1/2、子供1/4となり、
:預貯金の1/3×法定相続分=1500万円×1/3×1/2=250万円
ただし150万円が限度となり、妻は150万円を引き出すことができます。
子供:1500万円×1/3×1/4=125万円となり全額引き出すことができます。
※同一の金融機関に定期預金、普通預金など異なる預金がある場合は、個々の預金に上記が適用されます。
また、生活費に困窮する・・など緊急ではないが支払いを受けたい場合は、家庭裁判所の判断で仮取得が認められた金額が払戻しできる制度もあります。
いずれにしても遺産分割協議が終了するまでには、ある程度の日数が必要ですし、スムーズに遺産分割協議が行われるとは限りませんので、単独で必要費用の支払いが受けられることは、大きなメリットがあると思います。

~自筆証書遺言、面倒なデメリットが解消!!~

作成した遺言書を、法務局で保管する制度が開始!(令和2年7月10日開始)

【自筆証書遺言のメリットとデメリット】
■メリット
・自分で作成するため費用がかからない。
・秘密に作成できる。(立会人が不要) 
■デメリット
・紛失しやすい、発見されにくい可能性がある。
・廃棄・隠匿・改ざんの恐れがある。
発見した相続人が、自分にとって都合の悪い内容の場合、書き換えや隠したり廃棄したりする恐れがある。
・トラブルに発展しやすい。
遺言は書かされたのではないか? 当時、認知症だったのではないか?…など効力を争うことに発展する可能性がある。
・定められた様式で作成されていないなど無効になる可能性がある。
・自筆証書遺言は家庭裁判所に提出して「検認」を受けなければならない。
「検認」とは遺言書が定められた様式で作成されているかを確認し偽造・変造を防止するための手続で相続人立会の下で開封されます。(遺言書の有効、無効を確認するものではありません。)検認の際は、相続関係を証明する戸籍謄本など多くの書類提出が求められ時間を要することになります。
検認完了後、「検認済証明書」が発行され、それによって預貯金の解約や不動産の名義変更を行います。自筆証書遺言はそのままでは相続手続に使用できません。
■法務局保管制度の利用で多くのデメリットが解消!
令和2年7月10日から自筆証書遺言の法務局保管制度が始まりました。
作成した本人が法務局に出向いて保管申請を行います。
この制度を利用した「自筆証書遺言」は家庭裁判所の「検認」が不要になります。
また紛失、廃棄・書き換えなどの心配も解消されます。ただし「書かされたのではないか?」、「認知症だったのではないか?」などトラブルに発展する可能性まで解消されたとは言えません。ご自分の意思を正確に残すためには「公正証書遺言」を作成されることをお勧め致します。

詳しくお知りになりたい方はMail:lifefactory7@gmail.comでお問合せ下さい。又は法務省のホームページをご覧いただくか、お近くの法務局へお問合せいただくことも可能です。

~「口約束」は“その場しのぎ”、将来 「もめる」 原因に!~


実は、これはよくある話です。ウチも…と思われている方も多いのではないでしょうか。
そもそもこれが将来もめる原因を作っているのです。
新築時の資金援助はローンの助けになり、心から有難く感謝しているのは事実です。
その時に「相続の時は…」などといって渡しても、とにかく今が大事、今に感謝なのです。
これが20年、30年過ぎると兄弟それぞれ状況は変わってきます。
子供の大学進学、結婚…などなど物入りが重なり・・・。
そんな時、親が亡くなり相続になったらどうなると思いますか?
二男は「ウチは家を建てる時にもらったから今回は無し…。」とはいきません。
それぞれ配偶者がついているのです。正直「貰えるものはもらいたい。」これが本音です。
逆に長男は「お前は、先にまとまって資金援助してもらったから今回は無いぞ。」となり遺産分割は進みません。
被相続人(亡くなった人)の預貯金の引き出し、不動産の名義変更は相続人全員の同意がなければできないのです。
不服のある二男は、一銭も貰えない遺産分割など協力したくありません。
このまま話がまとまらなければ調停裁判へと進むことになります。
親が良かれと思ってしたことでも後の対策がなければ骨肉の争いとなり兄弟の縁は切れてしまいます。
そうなることが親の願いではないはずです。

~遺言で「道しるべ」をつけておく~

たとえ資金援助をしていたとしても、子供には遺留分(一定の相続人が最低限相続できる権利)があり、
遺産の総額にもよりますが全く貰えないことはありません。
このようなもめ事にしないために、「自分の財産を把握して、二男に〇〇〇万円先渡しをしたと考えて、兄弟が納得できるよう、
遺留分を考慮した分け方を遺言に残しておきます。
そして最後に「付言事項」として『なぜこのような分け方になったのか』
そして、『いつまでも兄弟仲良く繁栄することを願っている』と自分の思いを書き添えておきましょう。
「円満相続」は親の義務だと考えます。
もちろん遺言は「公正証書」で作成することをお勧めします。



『終活の疑問・悩みごと』、お気軽にご相談ください!
① メールによるご相談(24時間受付)
メールでご相談いただき、問題を解決へ導きます。(資料等の送付を含む)
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② 直接対面でのご相談
ご来所またはご自宅へお伺いいたします。(距離によっては、別途、料金がかかる場合がございます)
費用:5000円(消費税込)
※既にトラブルに発展している・・・など
ご相談内容によっては、お受けできない場合があります。予めご了承ください。
※各種手続に至る場合は、別途手続き費用が発生致します。